温暖化に対応した環境負荷低減試験を紹介します
温暖化に対応した環境負荷低減試験の紹介
試験研究の目的・背景
畜産分野からは、主に家畜の消化管内発酵や家畜排せつ物管理に由来する温室効果ガスは農林水産業分野における排出量の29%を占めている一方で、温暖化は、家畜の生産性に大きな影響を与えています。そこで、温室効果ガスの低減対策の効果や増体、飼料摂取量及び経済性などを調査検証し、畜産分野における活用に資することを目的とする試験を行っています。
これまでの成果
肥育豚に米粉と菓子粉等を主とした低タンパク質飼料を35%給与することで、総窒素排せつ量、飼料コストともに低減し、発育成績及び枝肉成績ともに問題はありませんでした。
総窒素排せつ量の低減効果
飼料費の低減効果
現在取り組んでいる試験
呼気測定試験の様子
脂肪酸カルシウムの給与が、肉用牛のメタン排出量低減効果や増体、飼料摂取量及び枝肉成績等へ及ぼす影響について国や関係機関と連携して検証しています。
また、乳用牛においては、カシューナッツ殻液の給与がメタン排出量低減効果や生産性に与える影響と搾乳ロボットで得られるデータとの関連性について検証しています。
今後の見込み
◼ 肥育豚の低タンパク質飼料給与に関しては、普及センターと連携して現場での実証試験を実施する予定です。
◼ 脂肪酸カルシウムやカシューナッツ殻液等の給与に関しては、メタン排出量低減効果と生産物への影響について検証するとともに、利用コストも含めて現場での効果的活用についても検討していく予定です。
この記事に関するお問い合わせ先
畜産試験場
〒889-4411
宮崎県高原町大字広原5066
電話番号:0984-42-1122
ファックス番号:0984-42-1707
メールフォームによるお問い合わせ
更新日:2024年10月07日