野生鳥獣による農林作物等の被害額について

令和3年度の被害額は約3億8,300万円で、令和2年度より約4,000万円、約9％の減少となりました。

1. 農作物については、被害防止のための研修会をはじめ、被害が大きい地区での侵入防止柵の整備や捕獲檻の設置などにより、全ての作物で被害額が減少した。
   獣種別では、イノシシによる果樹、サルによる野菜などへの被害が減少した。
2. 人工林については、被害額増加の要因は主にシカによるものであり、シカ生息域の拡大等により、これまで被害が少なかった地域において被害が増加した。
3. 特用林産物については、サル、シカ、イノシシによるしいたけ発生時のほだ場への侵入等により、被害額が大きく増加した。

1. 地域鳥獣被害対策特命チームや鳥獣被害対策支援センターを中心に、市町村や関係機関と連携しながら、集落内の合意形成による取組をはじめ、エサ場の除去などの集落対策や適切な侵入防止柵の設置及び維持管理などの推進、地域リーダーの育成や適切な捕獲対策等を推進する。
   また、鳥獣被害対策支援センターでは、鳥獣被害対策マイスター等の育成や、簡易で低コストな被害防止技術の実証及び普及に取り組むとともに、被害が深刻な地域などを対象に、課題の抽出や解決策を実践する「重点現地支援」に取り組む。
2. 鳥獣被害防止総合対策交付金事業等を活用して、集落対策及び捕獲対策と、侵入防止柵の整備等を支援する。特に侵入防止柵については、被害防止に対する基礎知識の修得や適切な設置ルートの確認など「柵設置前研修」を徹底することにより、効果的な整備を推進する。
   さらにICT等新技術を活用した捕獲機材等の整備や、ジビエ等への利用促進に取り組む。
3. 人工林のシカによる食害等を防止するため、被害防止効果の高い強化型防護柵を含めた防護柵の設置を支援するとともに、冬場のエサの供給源となる林道敷等の青草の発生を抑えるため、適正な草刈時期の周知を行う。
4. 特用林産物については、「しいたけ等特用林産物生産体制強化事業」により、適切な防護ネット、電気柵等の設置を支援する。
5. シカ、サル等の生息状況及び被害の実態を把握し、狩猟や有害捕獲による鳥獣の適正な管理に努める。
6. 狩猟期間の延長等の規制緩和、有害捕獲及びシカの狩猟に対する助成、シカの生息密度の高い地域やシカ侵入初期地域における県の委託による捕獲など、適切な捕獲を推進する。
7. 狩猟免許の新規取得に対する助成や、試験の複数・休日開催等により狩猟者の確保に努めるとともに、初心者等への捕獲技術向上講習会を開催するなど、狩猟者の育成を図る。

令和2年度以前の被害額については、以下のとおりです。