みやざき施設園芸デジタル化推進プロジェクト(Dプロ)

更新日:2024年12月26日

施設園芸のデジタル化推進プロジェクト(Dプロ)とは

Dプロとは、デジタルデータを活用した施設園芸の生産性向上を目指すプロジェクトのことで、デジタルの「D」を頭文字にDプロと呼んでいます。

Dプロでは、ハウスの環境データやJA出荷データを蓄積するデータ共有基盤(ミライズ)の構築や、得られたデータをわかりやすく閲覧するアプリの開発等に取り組んでいます。

なぜDプロに取り組むのか。

本県農業における耕種部門の生産量や作付面積は、農家戸数の減少により年々低下しており、現状を打破するためには、1戸当たりの「規模拡大」や「単位面積あたりの収量向上(単収向上)」による生産性向上が重要です。

「規模拡大」は、ハウス整備等に多大な初期投資が必要であるため、短期間に産地全体の生産性向上を図るには、誰もが取り組める「単収向上」が有効です。

県内で、ハウスの環境データ等を数値化・可視化することによって、高い収量を達成している例もありますが、その利用は一部の生産者グループなどに留まっており、県全体で効率的にデータを活用できる体制整備が必要でした。

図1

Dプロのしくみ

県全体でデータを活用できる体制を整備するため、Step1からStep3を回転させる仕組みづくりに取り組みました。

Step1「データの収集」、Step2「蓄積」、Step3「提供」といった3つのStepをデジタルを活用し、地域の枠を超えて回転させます。

図2

 

Step1「収集」

きゅうり、ピーマンの生産者に温度や湿度などの環境データを測定する装置を設置し、環境データを収集します。

Step2「蓄積」

「Step1」で得られたデータやJAの出荷データを共有基盤に蓄積します。

Step3「提供」

スマホアプリを活用して、わかりやすく「見える化」したデータを生産者や指導員にフィードバックするという工程をデジタルで回転させ、高い単収の農家の管理情報を共有することなどによって、産地全体の底上げを図ります。

 

アプリ紹介

ミライズ~施設園芸の未来図を描くプラットフォーム~

施設園芸における様々なデータを蓄積・共有するためのプラットフォームに施設園芸の未来を描く意味を込めて「ミライズ」と名付けました。

ミライズ

ミライズ(ロゴ)

ロゴ

連携協定の締結で取組を加速!!

宮崎県は、宮崎県農業協同組合、ネポン株式会社及びメルヘングループ株式会社と、令和6年12月10日(火曜日)に、本県施設園芸の飛躍的な生産性向上を図るため、デジタルデータやAI分析による作物の最適な栽培環境の創出や、データに基づく栽培指導ができる人材育成などデータ駆動型業の実現に向けた連携協定を締結しました。

今後は、4者による連携と産地の取組を連動させながら、

  1. 温度・湿度など栽培環境の見える化
  2. 見える化したデータのAI分析による作物に最適な栽培環境の創出
  3. 最適な栽培条件と暖房機などのハウス内設備が繋がることによる最適なハウス環境の自動制御

の実現に向けて取組を進めています。

集合写真

集合写真

協定書署名

協定書署名

データ駆動型農業(施設園芸)の展開

データ駆動型農業の展開を3つのステージで考えており、現在は、「栽培環境の見える化」というステージ1の段階ですが、ステージ2では、AIを活用して、作物の生育ステージやその時々の気象条件に応じた最適な栽培環境を導き出す「見える化したデータの最適化」を、ステージ3では、この最適化された栽培環境の条件に基づいて、天井ビニルの開閉や、暖房機の稼働が自動制御できる「最適化した環境の自動制御」と収穫ロボットによる「収穫管理の自動化」を目指していきます。

また、燃料や肥料・農薬データ等に基づく無駄のないコスト管理や、生育ステージに対応した計画的な雇用などによる「経営力の向上」に加え、精度の高い出荷予測を活用した運送トラックの配車や、計画的な販売などによる「販売力の向上」への横展開を目指します。

図3

この記事に関するお問い合わせ先

農産園芸課
〒880-8501
宮崎県宮崎市橘通東2-10-1
電話番号:0985-26-7135
ファックス番号:0985-26-7338
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