第八次宮崎県農業・農村振興長期計画の地域別ビジョン

更新日:2021年03月25日

1.策定の目的

本県は、平地から山間部に至る多様で豊かな立地条件等を有しており、県全体として農業・農村の振興を図るためには、地域に応じた農業・農村づくりを推進していくことが必要です。
このため、長期ビジョンや基本計画を踏まえながら、地域の特性や課題に応じた地域農業・農村のめざす発展方向を示します。

2.地域区分

地域区分は、地理的条件や社会条件を勘案し、支庁・農林振興局の所管区域にあわせて7つの地域を設定します。

地域名 市町村名
中部 宮崎市、国富町、綾町
南那珂 日南市、串間市
北諸県 都城市、三股町
西諸県 小林市、えびの市、高原町
児湯 西都市、高鍋町、新富町、西米良村、木城町、川南町、都農町
東臼杵 延岡市、日向市、門川町、諸塚村、椎葉村、美郷町
西臼杵 高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町

3.推進体制

地域別ビジョンは、それぞれの地域がめざす発展方向や今後5年間で重点的に取り組む施策を示し、農業者、消費者、農業団体、市町村、農業関係者等と連携しながら、地域の特長を生かした農業・農村づくりを推進します。

4 地域別ビジョン

(1)中部地域

地域農業・農村の目指す将来像

先進技術と地域資源をフル活用!多様な経営体が未来を切り拓く農業・農村

【目指す将来像】
  • 地域農業を担う高度な技術力・経営力を持った家族経営体や農業法人等の多様な経営体が確保され、生産基盤の整備等を通じて、これらの経営体が地域の農業を支えています。
  • 類型別の新たな水田営農が展開されるとともに、大規模畑作営農の確立や、畜産での分業化が図られるなど、先進的な生産体制が構築されています。
  • 多品目で高度な生産情報管理や環境制御技術等が導入され、超省力、高効率で収益性の高いスマート農業が実践されています。
  • 環境に優しい農業や農村の有する多面的機能を保全する活動が活発に展開されるとともに、気象変動や危機事象等への対応も強化された魅力ある農業・農村が構築されています。
目指す将来像実現に向けた重点的施策
1 中部農業の未来を紡ぐ多様な担い手の確保・育成
  • 高度な学修会活動(環境制御技術)新規就農者の就農支援を継続するとともに、農地・中古ハウス・機械等の情報を集約し、提供します。また、果樹や花きでも円滑な就農支援体制を整備し継続的に支援します。
  • 地域又は産地をけん引する農業者の技術力、経営(マネジメント)力を向上させ、10年後の地域をリードする経営者を育成します。
  • 雇用労働力としての多様な人材(農福連携、外国人、学生、他産業等)の確保を支援します。
2 トップを走る生産性が高く高収益な中部農業の確立
  • 基盤整備と連携した農地集積・集約水田では、大規模経営体タイプ、ハウス経営体中心タイプ、集落営農指向タイプといった類型別に、大区画化や汎用化、ハウス経営との分離、優良農地の確保、集落営農の組織化など必要な支援を行い、得られた情報・知識を基に、優良事例の横展開を進めます。
  • 畑地では、国営関連事業等を活用し農地の集積・集約、区画拡大等の基盤整備を行うとともに、畑地かんがい用水を活用した効率的で生産性の高い農業を推進します。
  • 収穫作業を効率化する飼料稲用自走式収穫機施設園芸、畜産を中心に、ICTを活用した高度な生産情報に基づく栽培技術や環境制御技術を導入し、スマート農業を段階的に進めることで、超省力、高効率で収益性の高い経営を実現します。
  • 畜産では、作業の分業化や協同による生産体制を構築し、担い手の労力負担軽減や規模拡大を推進します。特に、肉用牛では、子牛を預かり育成するキャトルセンター等の繁殖支援施設の活用による規模拡大を進めるとともに、肉用牛ヘルパーやコントラクター等のサポート組織の育成を推進します。
3 しなやかで災害に強い安全・安心な農業農村づくり
  • 防災重点ため池の整備日本型直接支払制度や、家畜防疫、鳥獣被害対策など地域が一体となって取り組む共同活動を推進し、魅力ある農村づくりを支援します。
  • 宮崎方式ICMや陽熱消毒等の環境負荷を低減する取組や耕畜連携による良質堆肥の活用等の資源循環型農業を支援し、環境に優しい農業を推進します。
  • 県内の約半数(313か所)を占めるため池等の農業水利施設の整備や、農業用ハウス等施設の強靱化を進めるほか、収入保険や農業共済の加入を促進し、気象変動や新奇病害虫等の災害に強い安全・安心な農業・農村づくりを推進します。 

(2)南那珂地域

地域農業・農村の目指す将来像

温暖な気候や豊富な地域資源を生かした魅力ある南那珂の農業

【目指す将来像】
  • 水田では、基盤整備やゾーニングによる担い手への農地の集積・集約化が図られ、早期水稲と高収益作物を組み合わせた生産性の高い水田営農を展開しています。
  • 畑地では、産地の中心的なリーダーがJA等と連携しながら、食用かんしょ等を核とした複合経営や輪作体系による効率的な畑作営農を展開しています。
  • 畜産では、スマート生産基盤の確立による生産性向上が進むとともに、意欲ある肉用牛繁殖農家の更なる規模拡大による大規模な畜産経営を展開しています。
  • 樹園地では、かんきつ類等の地域資源を最大限に活用した複合経営及び6次産業化等の経営基盤強化が図られ、魅力ある農業・農村が形成されています。
目指す将来像実現に向けた重点的施策
1 超早場米と高収益作物を組み合わせた生産性の高い水田営農の推進
  • 水田の大区画化や汎用化等を進めるとともに、担い手への農地の集積・集約化や品目毎のゾーニング等を進めながら、早期水稲と施設ピーマン、施設きゅうり、マンゴー、スイートピー、ごぼう等の高収益作物を組み合わせた生産性の高い水田営農を推進します。
  • 担い手が不足する地域においては、従来の複合経営に加え、リタイアする農家の農地を農地中間管理機構がスタンバイ農地として集積し、集落内外の意欲ある担い手やJA出資型法人等に委ねる体制を構築するなど、産地サポート機能の強化を図ります。
2 食用かんしょ等を核とした輪作体系による畑作営農の推進
  • 食用かんしょやにんじん等の土地利用型作物を組み合わせた輪作体系の確立を進めます。
  • 担い手の経営発展段階に応じた技術・経営支援を強化し、産地の中心的なリーダーとして養成するとともに、雇用人材を加えた多様な人材をアグリプレーヤーとして確保・育成します。
  • 簡易な基盤整備や農地の集積・集約化、スマート生産基盤の確立を進めるとともに、担い手とJA等との分業化を図りながら、効率的で持続的な生産体制を構築します。
3 肉用牛生産基盤の拡充による宮崎牛産地づくり
  • ICT関連現地研修会肉用牛農家の規模拡大を推進するとともに、ICT等の活用により、分娩間隔の短縮や子牛の事故率低減を進めながら、肉用牛生産基盤の拡充と経営の安定化を図ります。
  • 大規模稲作農家や集落営農組織との耕畜連携による粗飼料生産を推進するとともに、放牧の推進による労働力不足の解消を図ります。
4 豊富な産地資源を生かした魅力ある地域づくり
  • 豊富な産地資源であるかんきつ類については、香酸かんきつや有望な中晩柑類と組み合わせた複合経営によって産地競争力を強化します。
  • 簡易な農作業道、園地整備やスマート農業技術の導入による省力化を図るなど、条件不利地域に対応した生産体制を構築します。
  • かんきつ類をはじめとする一次産品の産地加工や直売等の6次産業化、輸出拡大等の取組を強化し、農を核としたビジネスの創出を進めます。

 

(3)北諸県地域

地域農業・農村の目指す将来像

挑戦と連携で築く「魅力ある高収益盆地農業・農村」

【目指す将来像】
  • 畜産では、家畜防疫の徹底を基本に、発情発見装置や搾乳ロボットなどスマート畜産の普及により担い手が確保され、育成牛供給センターやコントラクター等により産地生産力が維持されています。
  • 大区画化や汎用化した水田において、自動化技術やセンシング技術等を活用することで、より高収益なベストミックスが実現し、多様な就農ルートにより集落を支えるリーダーや雇用人材が確保されています。
  • 畑地では、農業法人やJA部会組織等が連携して、農地の集積・集約化と多様な担い手が確保されています。また、スマート農業技術と畑地かんがい用水を利用した畑作営農が展開されています。
目指す将来像実現に向けた重点的施策
1 スマート畜産の実現と持続可能な産地づくり
  • ICT機器・ロボット技術の現場実装及び活用できる人材の育成を行いスマート畜産の普及・拡大に取り組みます。
  • コントラクターと連携したTMRセンターの整備や定休型肉用牛ヘルパー体制を構築し、分業化による安定した生産体制を整備します。
  • 口蹄疫や豚熱等の侵入を許さない地域ぐるみの防疫体制の堅持により、安心して畜産経営が営める環境を維持します。
2 集落営農を核とした収益性の高い水田農業の推進
  • 集落営農組織等が農業の魅力を発信し、経営体を担う人材が確保できる体制と雇用就農者が確実に地域に定着できる体系的研修体制を構築し、水田農業の担い手確保に取り組みます。
  • ほ場整備や畦畔除去、排水改良等の簡易な基盤整備により、水田の大区画化・汎用化を推進し、効率的な農業基盤を整備します。
  • 自動走行や生育状況のセンシング機能を有するスマート農業技術を推進し、収益性の高いベストミックス栽培体系の普及・拡大に取り組みます。
3 産地体制の高度化による畑作営農の推進
  • 農業法人や個人経営体、JA部会組織がそれぞれの作付け計画をもとに、農地の集積・集約化ができる体制を整備し、経営規模の拡大を進めます。
  • 経営資源情報や他産業等と連携した労働力の調整を行うとともに、新規参入者や離職就農者等の多様な人材が安心して働ける環境づくりに取り組みます。
  • ICTやAI、ロボット技術を活用した生産情報管理機器の導入と畑地かんがいにより安定供給される水を使った露地園芸や施設園芸を推進し、消費地から求められる加工・業務用野菜等の生産拡大に取り組みます。

 

(4)西諸県地域

地域農業・農村の目指す将来像

’信頼’と’共創’による「新たなにしもろ農業・農村の創造」

【目指す将来像】
  • 家族経営体や法人経営体、集落営農組織など多様な担い手が、各地域で確保・育成され、調和の取れた営農が継続されています。
  • 基盤整備や農地の集積・集約が進むとともに、スマート農業技術が導入され、県内トップクラスの畜産をはじめとして、大規模露地野菜、集約的な施設園芸など効率的で高収益な農畜産業が展開されています。
  • 地元食材を生かした加工品の商品化、食育や地産地消の推進など、地域資源の活用により、魅力ある地域づくりが進んでいます。
目指す将来像実現に向けた重点的施策
1 多様な担い手が支える「にしもろ農業」の実現
  • 新規就農者等に対し、トレーニング施設等での技術習得から経営資源の承継等による就農定着まで、関係機関が連携しながら、技術や経営を総合的に支援します。
  • 農業法人やJA部会等の連携及び基盤整備を契機とした集落営農組織の設立により、地域のリーダーとなる人材の確保・育成を推進します。
  • 「人・農地プランの実質化」の取組を進め、地域の中心経営体へ位置付けられた担い手への農地の集積・集約を推進します。
2 効率的で収益性の高い「にしもろ産地」の構築
  • 基盤整備による農地の大区画化や農地の集積・集約による品目毎のゾーニングを進めるとともに、大型機械やドローン等を活用した効率的・省力的な土地利用型農業を推進します。
  • コントラクター、ヘルパー制度、TMRセンター等を整備・強化し、県内トップレベルの畜産地帯が維持できる分業化システムの構築を推進します。
  • 畑の区画整理や畑地かんがい施設等の整備を推進するとともに、高収益作物の導入やICT技術を活用したスマート農業の実践により、安定した高収益農業を推進します。
  • 自然災害防止対策や地域防疫体制の強化、新奇病害虫、鳥獣被害防止対策など、安心して営農に取り組める仕組みづくりを推進します。
3 豊富な農業資源を生かした「魅力ある地域づくり」の推進
  • 加工原料となる農林水産物等の安定生産、農林漁業者と食品事業者等との連携により6次産業化の取組を推進します。
  • 多面的機能支払や中山間地域等直接支払等による、地域が主体となった農地の保全・活用の取組を支援します。
  • 直売所や観光農園、農家民泊を含めた農作業体験等、農業資源と観光業との連携による地域の活性化を推進します。

 

(5)児湯地域

地域農業・農村の目指す将来像

革新と創生で築く、若者が住んで稼げる児湯地域農業

【目指す将来像】
  • 多様な経営体の発展段階に応じた支援体制が強化され、多くの人材が就業先として農業を選択するとともに、分業化や雇用労働力の地域内調整等により、働きやすい環境が整備されています。
  • 先進的な農業者や農業法人が、スマート農業技術を駆使し産地をけん引するとともに、中小経営体との連携により、加工・業務用農産物等の生産拡大を行い、効率的で高品質な周年供給が行われています。
  • 消費ニーズや流通環境の変化に対応できる産地づくりが進められ、農畜産物の高付加価値化を通して、外貨獲得や雇用が創出されるなど、農を核とした地方創生が図られています。
目指す将来像実現に向けた重点的施策
1 産地が一体となった一貫した就農者支援により多様な人材を確保
  • 就農相談会での人材確保就農希望者に対する相談、研修、農地等のあっせんまでの一貫した支援により担い手の確保に取り組むとともに、園芸施設や牛舎のアパート方式による貸付制度の導入を促進し、就農しやすい環境を整備します。
  • きゅうり、ピーマンをはじめ、イチゴや露地野菜、肉用牛など、新規就農者に対する研修品目の拡大やトレーニング施設の充実強化を図り、5年間で自立した農業者に育成します。
  • JA部会や農業法人等の多様な経営体の連携により、人材育成や技術・経営資源の承継、労働力調整、分業等のサポート機能が発揮される仕組みづくりに取り組みます。
  • 規模拡大を目指す農業者に対しては法人化を促し、経営力や労務管理力の向上により、持続的で安定した雇用環境を整備します。
2 技術革新と合理化により産地をけん引する経営体を育成
  • キャベツの自動収穫施設園芸では、団地化を促進し、環境制御技術や農業ロボットなど、先端技術の現場への実証・導入を進め、高度な技術を活用したモデル的な経営体を育成します。
  • 土地利用型農業では、農地の集約・大区画化等による生産性の向上、キャベツやはくさいなど畑地かんがい用水の強みを生かせる品目の拡大、耕種版インテグレーションの推進、水田経営の大規模化等に取り組み、効率的で安定した生産を行う経営体を育成します。
  • 畜産では、TMRセンター整備による飼料生産の分業化や、分娩間隔の短縮に向けた発情発見装置等のICT、AI技術の導入を進め、効率的で収益性の高い大規模経営体を育成します。
3 農を核とした新たなビジネスを創出
  • ぶどう等のブランド産地の再編や、ジビエ等の地域資源の利活用等の取組を進めることにより、農を核としたビジネスを創出し、外貨獲得と雇用機会の確保を図ります。特に山間地域のゆず産地においては、生産から加工、販売までを産地が手がける体制を強化し、農業による地域活性化を促進します。
  • 農畜産物の6次産業化・産地加工による高付加価値化や、ふるさと納税返礼品、観光商材等の開発など、他産業と連携した取組を進め、地域内外の需要を取り込む産品づくりを進めます。
  • 集出荷場の集約と予冷庫整備による輸送の効率化・高品質化を進めるとともに、スイートピーや茶など輸出先のニーズやGAP等の国際基準に対応した産地づくりを進め、国内外への販売力を強化します。

 

(6)東臼杵地域

地域農業・農村の目指す将来像

地域の技と力を集結して、チームで「産地革新」に取り組む東臼杵農業

【目指す将来像】
  • 地域の中心となる農業者をはじめ、行政や農業団体等がチームとなり、産地や経営体が抱える人材育成、労働力確保、農地調整、経営資源承継等の諸課題を解決するための調整機能やサポート機能が発揮されています。また、人口減少時代に対応し、経営を退く農業者の施設や農地を引き受けながら経営を拡大・発展させていく中心的な経営体が育成されています。
  • 地域に適したスマート農業が導入され、労働負担の軽減や技術格差の解消が進み、基盤整備と一体化した農地集約により、効率的な農業が展開されています。また、キャトルセンター等の拡充による分業化や自給飼料の広域流通体制の整備が進み、中山間地域を含めた飼養頭数の拡大と定休型畜産が実現しています。
  • 中山間地域においては、世界農業遺産「高千穂郷・椎葉山地域」に象徴される特徴的かつ持続的な農林業を基礎に、新たな雇用型経営体が育成され「稼ぐ農業」が展開されるとともに、市場開拓の司令塔となる「産地型商社」の設立により、新たなビジネスが展開され、人の流入と雇用の創出により地域が活性化しています。
目指す将来像実現に向けた重点的施策
1 多様な人材の育成とサポート機能の強化
  • 技術の習得や農地・施設・住居等の確保に係るワンストップの支援体制を整備し、新規就農者や他産業からの農業参入を推進します。
  • 中心的な経営体が抱える農地・労働力調整や人材育成、経営承継など共通の課題解決に向け、生産部会、農業法人等と連携し、「地域調整機能」の強化に取り組みます。
  • 経営を退く農業者の施設や農地を引き受けながら経営を拡大・発展させていく雇用型経営体や共同事業体(共同利用や分業を行う経営体群)、農業法人の育成に努めます。
  • JA法人等の「サポート組織」の機能充実に向けた検討を進め、集落営農組織等との相互補完により、地域農業を守る仕組みを構築します。
  • 農業の魅力発信や地域経済の循環役が期待される食育・地産地消について、学校や地元企業との連携等により取組を強化します。
2 産地革新の実践と販売力の強化
  • 畜産クラスター牛舎整備スマート農業についての情報発信や技術の実証、費用対効果の分析等により地域に適した技術の導入を進め、農業の省力化・効率化・高収益化を推進します。
  • 担い手への農地集積・集約を進めるため、農地中間管理事業の推進を強化するとともに、効率的で災害に強く持続可能なスマート生産基盤の整備を加速します。
  • 加工・業務用野菜の産地育成キャトルセンターの拡充・整備やヘルパー機能の拡充等地域に適した分業化の促進により、多頭飼育農家の規模拡大と少頭飼い農家の作業負担軽減を図り、地域内の飼養頭数の維持拡大に努めます。
  • 加工・業務用野菜等の生産拡大や産地加工の推進、新商品の開発等社会構造の変化に対応した販売力の強化に取り組みます。    
3 持続的で魅力あふれる農業・農村づくり
  • 夏秋ほうれんそうハウス中山間地域の稼ぐ農業を実現するため、広域的な基盤整備を推進するとともに、雇用型経営に発展する夏秋野菜・果樹・シキミ経営体等の育成を推進し、体験型観光等の交流人口の拡大策や他産業との連携により、域内の周年雇用体制の構築を進めます。
  • 地域の魅力発信と外貨獲得機能の強化に向け、人や産業をつなぐ「産地型商社」の設立を支援します。
  • 確保されている埋却地自給飼料の広域流通体制の整備や畜産バイオマスの利活用促進など中山間地域の増頭対策を推進します。
  • 生産者の防疫意識の喚起や定期的な防疫研修・演習を実施するとともに、農場ごとに確保されている埋却地の評価に取り組み、家畜防疫体制を強化します。
     

(7)西臼杵地域

地域農業・農村の目指す将来像

伝統に、新たな人を呼び寄せて、先端技術で輝き続ける棚田地域

【目指す将来像】
  • 集落ぐるみ、地域ぐるみで営農をサポートする仕組みが整い、高齢農業者や兼業農家が生き生きと営農を継続しています。
  • 若い農業者が増え、生産拡大や多角化に意欲的に取り組み、定年帰農者が、集落や産地の担い手として活躍しています。
  • スマート農業技術の導入により効率よく農地や作物・家畜を管理できるようになり、高齢者に優しく若者に魅力ある農業が展開されています。
  • 交流・関係人口が増え農村が活気にあふれ、西臼杵地域の魅力を再認識した若者が移住・定住し、農業に大きく関わりながら生活しています。
目指す将来像実現に向けた重点的施策
1 共同の力で農地を守り農業を続ける農村集落づくり
  • 山腹用水路の共同管理日本型直接支払の加算制度等を活用し、作業の共同 化や受託のための体制を構築・強化します。
  • 災害に強く管理がしやすい生産基盤を構築するため、コンクリート畦畔や老朽化した農業用用排水路等の整備を進めます。
  • 住みよい農村づくりのため、集落内の道路や営農飲雑用水施設等の整備を進め、生活環境の改善に取り組みます。
2 将来の地域農業を担う経営体の支援と新たな担い手の育成
  • 牛舎を整備し担い手を育成肉用牛の増頭など、意欲的な農業者の経営規模拡大に必要な施設等の整備や技術の導入等を支援します。
  • 西臼杵農業の魅力を積極的・効果的に発信するとともに、UIJターン者が安心して就農できるよう、技術、農地、住居をパッケージで提供できる仕組みをつくります。
  • 定年帰農者の活躍を後押しするため、新たに導入する品目の生産や集落リーダーとしてのスキルアップに向けた取組を支援します。
  • 地域全体で雇用を確保し、必要なときに必要な場所で必要な労働力を循環させる体制の構築を推進します。
3 スマート農業技術の導入による省力化と生産性の向上
  • リモコン式草刈機での畦畔除草負担が大きい畦畔法面の草刈りや用水管理の省力化を進めるため、リモコン式草刈機や自動給水栓等、先進技術を実証し、導入を進めます。
  • 肉用牛の発情発見や分娩監視をサポートする牛群管理システムの導入を推進し、分娩間隔の短縮や分娩事故率の低減に取り組みます。
  • 耕種部門では、ドローンや栽培環境監視システムなど省力化や品質向上につながる技術の導入を推進します。
4 世界農業遺産の認定を生かした観光業等と連携した新たなしごとづくり
  • 農泊旅行者の農作業体験景観に優れた棚田や茶園等を、多くの人が訪れることができる世界農業遺産のシンボリックな場所として整備するとともに、指定棚田地域となったメリットも生かしながら、住民主体の交流促進の取組を支援します。
  • 旅行者の宿泊場所の確保や教育旅行等大口需要への対応のため、農泊施設の連携を強化するとともに、新たに農泊に取り組む農業者を支援します。
  • 西臼杵の産品に新たな需要を創造し、農村地域の収益と雇用の場を生み出すため、農産加工品の製造・開発・磨き上げ・販路拡大を支援します。

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