【果樹部】カンキツの花芽抑制技術による安定生産と省力化技術

更新日:2021年12月21日

 温州ミカンは、冬季に植物成長調節剤のジベレリン(以下「GA」という。)を散布することで、翌春の花芽を減らすことができます。花芽が減る分、新梢(春枝)が増えることから、隔年結果(実が多い年と少ない年が交互になること)防止技術の1つとなっています。

 GAにマシン油乳剤または機能性展着剤を混用散布することで、花芽抑制効果は変わらず、散布濃度を10分の1、コストを約8割カットすることができる技術を開発しました。

 温州ミカンでは、極早生は12月上旬、早生以降は12月上旬から1月上旬が散布適期となっており、花芽の抑制は、摘果作業の省力化にもつながります。また、苗木の育成時には不要な花はつかず、新梢が発生するので樹冠拡大が見込めます。有葉花での着果が望ましい「日向夏」や「不知火(しらぬい)」などでは、直花が減ることで樹勢が維持されます。

 この技術は、品種や土壌、気候によって効果に差がみられますので、自分の園地での最適な時期を事前に確認することが必要です。花芽抑制に使用できる資材は、GAは液剤及び水溶剤(粉末、錠剤)、マシン油乳剤はアタックオイル、機能性展着剤はスカッシュです。使用前にはラベルをよく読んで確認しましょう。

 写真は2020年4月24日の開花の状況です。GA散布によって無処理よりも着花が減少しています。

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GA2.5mm+スカッシュ
GA2.5mm+マシン油
無処理

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