《中部》池の水ぜんぶ抜いてます。(令和7年9月)
中部農林振興局管内には県内で最も多い308箇所のため池があり、劣化状況や地震・豪雨耐性評価の結果を踏まえて計画的に防災工事を実施しています。
このうち、県内最大級のため池である国富町の籾木ため池で「堤体上流側」(水が貯まっている側)の工事を行うために、8月末から池の水抜き作業を行いました。
川からの取水口の封鎖
籾木ため池では、周りに降った雨水と、上流側にある川からの取水により水を貯めています。
川から取水された水は、水路を通ってため池に流れ込んでいるため、水を抜く前に川からの水がため池に流れ込まないよう、取水口を塞ぐ作業を行いました。
作業状況
封鎖完了
川からの取水口は2箇所あり、途中から車では通行できない場所のため、ヘトヘトになりながら往復約5kmの山道を歩きました。
日頃から管理されている薩摩原土地改良区の方々の大変さを改めて実感しました。また、作業に必要な材料や工具を運搬し、作業を行っていただいた株式会社藤元建設の皆さんにも感謝いたします。
池の水抜き作業
水抜き作業を開始する時点で、ため池には約10mの水深がありました。
普段、ため池の水はパイプラインで田んぼに配水されていますが、今回、水を抜くためにこのパイプラインに設置されている約20箇所の排水バルブを土地改良区の方々に開けていただき、水抜きを行いました。
途中、台風の影響でため池の水量が増えることもありましたが、徐々に水位は下がっていきました。
水深が約5mの位置まで下がると、ため池の底にあるゲートを操作する開閉機が水の中から現れました。
地元の方々によると、約30年ぶりにこの開閉機を動かすとのことでしたので、動作するか心配されましたが、無事に動き、堤体の下にある底樋(そこひ)を通ってため池の下流側にある排水路へと水が流れ出ていきました。
水抜き前
水抜き後
9月16日現在、ため池の水は降雨の影響もあり、若干残っていますが、池底が見える状況です。
今後は、工事車両がため池の中に入っていくための工事用道路を建設し、池内の工事に着手する予定としています。
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更新日:2025年09月17日