【児湯】西米良村のゆず農家になる決断(令和7年11月)
ゆずの産地で有名な西米良村。村の面積の96%は山林で平地は非常に少なく、限られた平地や斜面を利用し、専業・兼業の農家によりゆずが栽培されています。

昨年、それまで勤めていたJAを辞めて、自ら西米良村でゆずの道で生計を立てていこうと就農を決断された方がいます。黒木貴祥(たかよし)さん。
人口減少や高齢化によりゆず栽培に携わる方々が減少、今後さらに作り手や生産量の減少が見込まれる中、専業農家の一歩を歩み出した貴祥さんに取材を行いました。
黒木 貴祥(たかよし)さん
- 貴祥さんは西米良村のご出身。
- 幼い頃より祖父母が栽培していたゆずをいつか自分もやってみたいとの思いを抱きつつ、JA職員として農家を支援する日々を送ってきました。
- 現在3人のお子さんの子育て真っ最中です。
思い続けたゆず農家へのチャレンジ
いつかは西米良村でゆずをと思いつつも、就農直後は収入減となる見込みや家族を支える責務があることからも、その決断は難しいものでした。
自身のライフプランを考え抜き、なにより家族の理解が得られたことで意を決し、県内JAの統合のタイミングで早期退職してチャレンジに踏み切りました。
就農について
現在は、村が整備しているゆず団地に就農しています。
ゆず団地は、農山村の維持に繋がる担い手確保のために、村が平成21年度に山の斜面を切り開いて苗木を植え、ゆずが密生する園地として整備したものです。
貴祥さんは、斜面3段に構えられたゆず団地の最上段、標高710m付近のゆず畑を借り受けて経営を始めました。団地の姿はこれまでJA職員として見てきた場所でもあり、その畑の隆盛に一役をとの思いもあります。
ゆず団地の風景
標高が高いので山並みや青空が美しく見えます
就農後の働き方
農作業は一人で行っています。
草刈りや防除など作業量は多いですが、自身のペースで行えることで活力を充分に持続・発揮しながら作業を行っています。
現在500本ほどまでゆずの木を増やしてきました。
本数はまだ増やす予定ですが、木をしっかり成長させることにも重点を置いています。
時期によって「青ゆず」と「黄ゆず」が収穫出来ますが、青ゆずのうちに収穫することは木のストレス軽減にもなるので、加工用となる青ゆずとして出荷して木を育てています。
近年の異常気象も考慮しながら、数年先に充分な収量が得られるよう先を見据えた作業を積み重ねて農家としての経営を軌道に乗せていきたいと考えています。
今後のビジョン
今後も資金面や技術面など様々な課題が出てくることが想定されますが、
就農して感じている魅力
-やりたいことをすぐに実行に移せるスピーディーさと、自分でやるからこそストレスなく出来るという点-
を実感しながら、力を発揮していこうとされています。
これからは村全体で耕作放棄地の増加や生産者の減少も見込まれています。
村外に出て行く方や、村に帰りたくても帰れない方も多い中、
ゆず農家としてしっかり生計を立てていける姿を貴祥さんは目指します。
これまでJA職員として様々な農家の姿を見てきた経験も強みです。
現在43歳。
保育士の奥様と家事育児を分担しながら、
村内でゆず生産を志す方が安心して生活を築いていけるよう、
まずは自ら体現していくことで西米良村のゆずを未来へ繋ぐ1人になろうと奮闘している姿がありました。
この記事に関するお問い合わせ先
児湯農林振興局
〒884-0002
宮崎県高鍋町大字北高鍋3870-1
電話番号:0983-22-1362
ファックス番号:0983-23-4446
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更新日:2025年11月07日