地下水位制御システム FOEAS(フォアス)~水田の高度利用を目指して~(令和6年6月)

更新日:2024年07月08日

地下水位制御システム FOEAS(フォアス)とは?

地下水位制御システム FOEAS(フォアス)は、農地下に埋設する管路、給水部、水位制御部で構成される暗きょ排水と地下かんがい両方の機能を兼ね備えたシステムです。

水田の畑利用における最大の課題は湿害対策にありますが、通常の暗きょ排水で地下水位を下げすぎると逆に干ばつのおそれがあります。

フォアスは暗きょ排水の機能も持ちつつ、作物が生育期別に必要とする地下水位を天候に関わらず設定高で維持し、ほ場全体で均一な土壌水分の制御ができる画期的なシステムとして開発されました。

フォアスの仕組み
フォアスの仕組み

日南市吉野方の農地にフォアスを導入!

日南市吉野方の水田では、県営土地改良事業によりフォアスの導入を進めています。

令和5年度末には農地約6ヘクタールの工事が終わり、農業者の皆様にフォアスの操作方法を説明しました。

フォアス操作説明の様子

フォアス操作説明の様子

地下水位制御の仕組みって?

地下水位制御の要は「水位制御器」にあります。

水位制御器は外筒、内筒、内筒スライド管の三重構造になっています。

地下水位を制御したい時は内筒を外筒の中にしっかり押し込み、内筒スライド管を任意の高さに上げ下げすることで、その高さに地下水位を調節できます。

地下水を全部抜きたい時は、外筒内に押し込まれた内筒を引き上げると排水します。

水位制御器内部の仕組みがわかる模型

水位制御器内部の仕組みがわかる模型

農業者の皆様に配布したフォアス操作説明書

農業者の皆様に配布した操作説明書

水田の高度利用を目指して

国際情勢が大きく変化する中、わが国の食糧自給率を上げるためには、米以外の作物の生産拡大や増産など、いわゆる水田のフル活用が重要な課題となっています。

そのためには排水が良くて自由に用排水の操作と制御が可能な水田、つまり畑としても有効利用できる水田にする必要があります。

土地改良の分野ではこれからも農業生産基盤の整備を進め、米粉、小麦、大豆、野菜など作物選択の自由度を広げられる生産性の高い優良農地を確保していきます。

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