2024年上半期の長期漁海況予報について

更新日:2024年02月29日

2024年上半期の長期漁海況予報についてご紹介します。

電子ファイルは以下からダウンロードできます。

2024年上半期の長期漁海況予報について(PDFファイル:554.9KB)

なお、この内容は水産宮崎No.775に掲載されたものです。

2024年上半期の長期漁海況予報についてお伝えします

ー資源部ー

はじめに

令和5年12月20日~21日に令和5年度第2回太平洋いわし類・マアジ・さば類長期漁海況予報会議が開催されました。その結果を踏まえ、2024年1月~6月の日向灘における漁海況予報文を作成しましたので参考にしてください。

1 海況

1)黒潮

経過(2023年6月~12月)

  • 都井岬沖の黒潮流軸(海上保安庁海洋情報部)は、7~10月は概ね「離岸傾向」で、11~12月は概ね「接岸傾向」で推移しました(図1)。

予測(2024年1月~6月)

  • 都井岬沖の黒潮流軸は、2~3月にかけて離岸傾向となる以外は、接岸傾向で推移する見込みです。
都井岬沖の黒潮離岸距離

図1    都井岬沖の黒潮離岸距離(海上保安庁海洋情報部HPよりデータ取得)

2)沿岸水温

経過(2023年6月~12月)

  • 沿岸海洋観測による日向灘の水温(0m,50m,100m層より判断)は、平年値(1991~2020年度平均)と比べて、8月に「著しく高め」、10~11月に「やや低め」で、12月に「低め」で、その他の月は「平年並み」で推移しました。

予測(2024年1月~6月)

  • 日向灘の水温は、期間を通して「平年並み」~「高め」で推移する見込みです。

2 漁況

1)マイワシ

経過(2023年7月~11月)

  • 主要まき網では、6~9月にまとまった漁獲があり、前年を上回りました(図2、3)。
  • 漁獲サイズは、6、8月に14 cm(被鱗体長。以下、略す)前後、7月に14.5 cm前後、9、10月に15.5 cm前後が主体となっていました。

予測(2024年1月~6月)

  • 漁獲対象は、期の前半は産卵成魚、後半は0歳魚が主体となる見込みです。
  • 漁獲量(来遊水準)は前年(1,285トン:平年比76%)並と予測されます。
マイワシ月別漁獲量

図2   主要まき網のマイワシ漁獲量経月変化

マイワシ年別漁獲量

図3   主要まき網のマイワシ漁獲量経年変化

2)ウルメイワシ

経過(2023年7月~11月)

  • 主要まき網では、7、9月にまとまった漁獲がありましたが、8、10、11月の漁獲は前年を下回りました(図4、5)。
  • 漁獲サイズは、6、8月に13 cm前後、7月に13.5 cm前後、9月に16 cm前後、10月に12.5 cm前後が主体となっていました。

予測(2024年1月~6月)

  • 漁獲対象は、1月~4月は15~20 cmの推定1歳魚以上、6月には0歳魚が主体となる見込みです。
  • 漁獲量(来遊水準)は前年(1,290トン:平年比52%)を上回ると予測されます。
ウルメイワシ月別漁獲量

図4   主要まき網のウルメイワシ漁獲量経月変化

ウルメイワシ年別漁獲量

図5   主要まき網のウルメイワシ漁獲量経年変化

3)カタクチイワシ

経過(2023年7月~11月)

  • 主要まき網では、6月にまとまった漁獲がありましたが、7~11月で低調となり、前年を下回りました(図6、7)。
  • 漁獲サイズは、6月に10~12 cm、7月に11 cm前後、8月に13 cm前後が主体となっていました。

予測(2024年1月~6月)

  • 漁獲対象は、12 cm未満が主体となる見込みです。
  • 漁獲量(来遊水準)は前年(888トン:平年比206%)を下回ると予測されます。
カタクチイワシ月別漁獲量

図6   主要まき網のカタクチイワシ漁獲量経月変化

カタクチイワシ年別漁獲量

図7   主要まき網のカタクチイワシ漁獲量経年変化

4)マアジ

経過(2023年7月~11月)

  • 主要まき網による漁獲は、6~9、11月においては漁獲が低調でしたが、10月にまとまった漁獲があり、前年並となりました(図8、9)。
  • 漁獲サイズは、7月に13 cm(尾叉長。以下、略す)、8月に12 .5 cm前後、9月に14 .5 cm、10月に10 cmが主体となっていました。

予測(2024年1月~6月)

  • 漁獲対象は、1歳魚以上が主体となる見込みです。
  • 漁獲量(来遊水準)は前年(1,361トン:平年比279%)を下回ると予測されます。
マアジ月別漁獲量

図8   主要まき網のマアジ漁獲量経月変化

マアジ年別漁獲量

図9   主要まき網のマアジ漁獲量経年変化

5)サバ類

経過(2023年7月~11月)

  • 主要まき網では、7月以降漁獲が低調であり、前年を下回りました(図10、11)。
  • まき網により漁獲されたマサバの体長組成は、7月に14 cm、8月に15~23 cm、9月に22 cm前後、10月に18 cm前後が主体となっていました。ゴマサバの体長組成は、7月は 17~24 cm、8月は16~24 cm、9月は22 cm前後、10月は28 cmが漁獲の主体となっていました。定置網により漁獲されたゴマサバの体長組成は、10月に32 cm前後、11月に30 cmが主体となっていました。

予測(2024年1月~6月)

  • 漁獲対象は、ゴマサバは3歳魚以上が主体となる見込みです。
  • 漁獲量(来遊水準)は前年(1,863トン:平年比14%)並と予測されます。
さば類月別漁獲量

図10   主要まき網のさば類漁獲量経月変化

さば類年別漁獲量

図11   主要まき網のサバ類漁獲量経年変化

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