日向灘沿岸の水産資源の評価結果について(2024)【資源部】
日向灘沿岸の水産資源について評価結果をまとめましたのでご紹介します。
電子ファイルは以下からダウンロードできます。
日向灘沿岸の水産資源の評価結果について(2024)(PDFファイル:724.6KB)
なお、この内容は水産宮崎NO.784に掲載されたものです。
はじめに
宮崎県では本県沿岸の水産資源の適切な管理を目的として、毎年資源評価を行っており評価結果を宮崎県資源評価委員会(以下委員会という)に諮っています。
令和6年8月28日に開催された第14回委員会にて、10魚種が評価されました。ここでは、毎年評価している「アマダイ類」、「イセエビ」、「カサゴ」、「マダイ」、「ヒラメ」の5種の評価結果の概要を示します。
アマダイ類
【委員会の提言】
・近年は漁獲対象となる3歳魚以上の資源尾数・資源量が増加しており、日向灘のアマダイ類資源回復の好機であると考えられることから、資源回復計画を着実に推進していくことが重要
・現状の資源状態が継続すれば、安定的な加入ひいては親魚量の増大につながると考えられるが、環境変化等により、状況が変わることも考えられることから、今後も資源動向に注視することが必要
イセエビ
【委員会の提言】
・本種は沖合域からの移入により本県沿岸に加入してくると考えられることから、資源管理方策としては、加入量確保と生残率の向上を目指す取組と、資源の効率的利用が考えられる
・加入量の確保と生残率の向上の方策としては、藻場の造成や代替物を設置する取組が、資源の効率的利用の方策としては、小型個体の再放流により漁獲サイズの拡大を目指す取組や、操業調整により単価の高い時期等に漁獲する取組が重要
カサゴ
【委員会の提言】
・近年、資源尾数・資源量及び加入量は横ばいで推移していると考えられるが、資源レベルは低位にあるため、現行の資源管理措置を継続するとともに、漁獲及び資源状況の継続的な把握が必要である
マダイ
【委員会の提言】
・肥満度は全てのサイズで1989年頃よりも低い傾向がみられるため、2000年以降の本県沿岸はマダイの生育環境として好適であるとは言いがたいが、市場調査魚の肥満度は2000年代前半を境に回復傾向もみられている
・若齢魚の漁獲尾数は、1990年代後半から低い水準で推移している一方で、高齢魚の漁獲尾数は安定しており、近年本県で漁獲されているマダイは主に移入資源であると考えられることから、他海域の資源動向を含め、注視していく必要がある
・現在は、人為的措置による資源の増大は期待しがたいが、地先での再生産状況と環境変化をモニタリングし、加入状況に変化が確認されるなど、人為的措置による資源増大が望める機会を把握することが重要である
ヒラメ
【委員会の提言】
・近年、漁獲量が減少し続けており、種苗放流による加入を安定させるために、放流後のモニタリングや減耗要因の究明が重要である
・親魚量の減少や再生産成功率の低迷により、本種の資源量が低水準で推移していると推定されることから、本県と同じ傾向にある太平洋南部海域の今後の資源動向を注視する必要がある
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更新日:2024年11月26日